婚活中の方の中には「こんな人と結婚したい!」という自分の理想に固執してしまう方が一定数いらっしゃいます。
無事、理想的な相手が見つかり、相手からも望まれればいいのですが、実際はなかなかそうはいかないもの。
しかも、理想が高ければ高いほど、その確率は希少になります。
自分がいいと思う相手からは望まれず、望んでくれる人は理想的とは言えない…
そんな“理想と現実のギャップ”に悩み続けている方もいるようです。あなたは如何でしょうか?
婚活する人に“理想に固執する人”が多い理由
婚活中、理想をなかなか降ろせない方からよく耳にするのは、「ここまで待ったのだから…」「それなりのお金で婚活するのだから」というお言葉。
でも、残念ながらそのようにおっしゃる方は、“婚活に過剰な期待をしてしまっている”と言っていいかもしれません。
婚活は異性との出逢いが少ない方や、なかなか結婚のチャンスがない方に、結婚前提の出逢いを提供してくれます。
これは、自然な出逢いでは得られないこと。通常は相手が独身かどうかもわからない状態から、関係を築いていかなければなりません。
一方結婚相談所においては相手の身元も保証されています。それだけで結婚したい人にとっては充分な環境が用意されているはず。
しかし問題は、そこに「どうせなら」「折角だから」と欲を出し過ぎてしまうことです。
その気持ちもわからなくはないのですが、それが落とし穴となり「なかなか相手が見つからない」と悩んでしまう方が多いのです。
永遠に悩む可能性も…“理想と現実が噛み合わない人”の特徴
実は婚活のみならず、仕事や自己実現などにおいても、理想と現実が噛み合わず悩みがちな人もいます。
どうしてそうなってしまうのでしょうか。
① いつも実力以上の理想を夢見てしまう
理想と現実のギャップに悩める方の多くは、常に自分の実力以上の願望(それもかなり上の)を持ちやすいという特徴があります。
現状をよく考える前に、イメージだけが先行してしまうのかもしれません。
筆者の元にも「凄い人になりたいのに、思い通りになっていない」という悩みを抱えてご相談に来られる方がよくいらっしゃいます。
でも「それなら、このように努力をされるといいのでは?」とご提案すると、「そこまでは…」とおっしゃる方が多いのです。
② プライドが高い
「自分はもっと凄いはず」「自分の相手は素晴らしい人でなければ」という思い込みの強い方は、プライドの高さがそうさせていると言っても過言ではないでしょう。
しかし一方で、ありのままの自分を受け入れられなかったり、「周りからどう思われるか」を気にし過ぎていたり、失敗を恐れ過ぎたりと、心を強く持てない方が多いのです。
理想と現実の折り合いをつけるには、妥協というより、等身大の自分を認める強さが必要です。
しかし、そこになかなか気付けない方が多いのも事実ではないでしょうか。
③ 「人に理想を叶えてもらいたい」と思っている
結婚相手に高い理想を持ちやすい女性の中には「男性に理想を叶えてもらいたい」という他力本願の強い方がいらっしゃいます。
しかし高スペックな男性ほど、「あれもこれも男性から与えて欲しい、して欲しい」と願う女性を敬遠する傾向があります。(ただし、若くて抜群に美人なら別かもしれませんが)
ある程度の年齢を経ているのにそこに気付けないと、婚活迷子になる可能性が充分あると思います。
④ 自分にも他人にも満足ができない
理想が高過ぎると、ちょっとした欠点が気になり、人の足りない所ばかりに目が行くようになります。
そのため理想に固執する人は、自分にも他人にもなかなか満足することが出来ません。
自分に対してだけならそれが起爆剤となって成長する人もいると思いますが、他人にも求めてしまう方は、どんな相手に対しても不満を見つける人になりがちです。
理想に固執し過ぎると損をする理由
理想を描くことは決して悪いことではないですが、「叶えるのは困難」と感じた場合は、やはり現実との折り合いをつけて行く必要があります。
しかし折り合いをつけるどころか、強固に理想にこだわり続けてしまう人もいます。
しかしそのような方は、デメリットを抱えることにもなりがちです。
① 自己肯定感がかえって低くなる
理想が高いということは、元々自己評価が高い表れでもあると思います。
そんな方が理想が叶わないとなると、やはりプライドが傷つきます。
理想が叶わないことを人のせいにする方もいますが、そんなことをしたところで叶うワケでもありません。
その結果、かえって自己肯定感が低くなってしまうのです。
またそれを繰り返すと、高い理想を掲げては落ち込むという、不安定な心の習慣を作り上げてしまうのです。
② 手に入るはずの幸せを逃してしまう
婚活においてあまりに理想への固執が激しいと、少しでも理想と違う人を、一方的にお断りしてしまうことになり兼ねません。
でも本当は、「そこそこいいな」と思える人であれば、相手から望まれるだけでラッキーかもしれないし、多少の違いは柔軟になればいいだけかもしれません。
それなのに、理想にこだわるあまり幸せを逃してしまう人もいるのです。
されど理想は一方的な願望が作り上げたもの。完璧な人などいない可能性が高いですし、仮にいたとしても相手から望んでもらえるとは限りません。
そう考えると婚活では“理想に固執し過ぎること”が、幸運を逃すと言っても過言ではないのです。
③ いつまでも結婚出来ず自信が持てない
「理想通りの人でない」という理由で何度も結婚のチャンスを逃してしまうと、いつまでたっても結婚という経験を踏むことが出来ません。
経験してないから怖い。その気持ちは年々大きくなります。そして年齢と共に失敗も怖くなって行きます。
だからリスクヘッジのために高い理想を作ってしまう。特に最近は、そのような方が多くなったと感じています。
しかし、経験不足のままでは永遠に自信が持てない。それが現実でしょう。
そのような方こそ理想だけに固執せず、思い切って結婚を経験された方が、実は自信が持てるようになるのかもしれません。
人間は、理想が叶わなくても幸せになれる!
理想と現実のギャップに悩める方にぜひ認識していただきのは、“どんな人であっても完璧に理想が叶うことなど滅多にない”ということ。
そして、理想が叶わなくても幸せになれることを知って欲しいと思います。
逆に「理想が叶わないと幸せでない」と思っている方は、おそらく一生不満を抱えて生きることになってしまう。
それよりも、「完璧じゃなくても、程よく幸せで充分」と思うことが出来れば、“自分に合う人”も見つかるし、結婚後も幸せになれるでしょう。
実は幸せは自分の心が作っています。それは普遍の真理、間違いないことなのです。
婚活で“理想と現実のギャップ”に悩む人の解決法
「そうはいっても、理想と現実の折り合いをどのように付けたらいいかわからない…」という方もいらっしゃるでしょう。
そのような方のために、考え方のステップをご紹介してみたいと思います。
① “理想の相手”がどんな異性を求めているかを考える
「こんな人と結婚したい」という強い理想のある方は、きっと自分にとって最高と思える異性をイメージしていることでしょう。
では逆に、あなたの理想の相手が、どんな異性を好むのかを考えたことがあるでしょうか。
結婚は相手があること。自分の願望だけでは成り立ちませんので、ぜひ、考えてみていただきたいと思います。
もしその人が最高の人なら、やはり自分と同等の“最高の異性”を求めているのではないでしょうか。
収入面は人によると思いますが、容姿や人柄、ファッションセンス、気遣いやサービス精神、コミュニケーションスキルなどは相手にも求めるはずです。
また男性であれば、高スペックであるほど“若い女性”を希望するかもしれません。逆に女性なら、出来るだけ年齢の近い男性を望んでいるのではないでしょうか。
それらの条件がご自分に備わっているかを照合してみましょう。そうすれば、あなたの理想が適正かどうかがわかると思います。
② 理想を叶えたいなら、自分を磨く努力をする
「理想の相手から好かれるかどうかは自信がない…」と言いながらも、「それでも理想の人がいい!」と思われる場合は、ご自分をバージョンアップする努力をすることが不可欠になります。
容姿を磨くことや、ファッションセンスは男女ともに必要ですが、特に男性には、女性に対する気遣いやエスコートなどのサービス精神が求められると思います。
女性であれば可愛げがあり、笑顔が多く、性格が素直であることも必要だと思います。
「理想を叶えたいが、変わりたくない」は、残念ながら難しいと思って下さい。
何故なら結婚は相手があること。相手が求める希望に合わせない限り、その人から好かれることはないのです。
③ 難しいなら、“ゼロか100か”の思考パターンをやめる
「そんなこと言われても難しい…」と思うなら、“理想はあくまで理想”と割り切っていただくことが必要だと思います。
ただそうなった時、理想と現実のギャップに悩む人がやりがちなのが「理想が叶わないなら婚活なんかもうやめる!」と思ってしまうこと。
しかしそれでは、いつまでたっても肝心の幸せが手に入りません。
そのような方にお勧めしたいのは、まず、“ゼロか100か”の思考パターンをやめてみることです。
“ゼロか100か”、つまりやめるか理想を貫くかではなく、その中間を選択するのです。
その場合は相手に何もかもを求めず、まずはお互い気が合って、条件面も何か一つが納得出来ればOKとします。
あとは結婚後、共に生活しながら話し合って行くことで「お互いが歩み寄ればいい」と思うことにするのです。
それは妥協とは違い、自分にとって適正な選択をするということ。歴史上由緒ある“精神哲学”にも記されている、高尚な“人生の学び”なのです。
④ 理想と“合う人”は違うことを認識する
そして、“自分に合う人”とはどんな相手なのかを考えてみましょう。
理想は願望でいくらでも作り出すことが出来ますが、その通りの人があなたに合うとは限りません。
結婚して長く寄り添える相手とは、ズバリ、自然体でいられる相手、一緒にいて楽な相手です。
あなたがよそ行きに自分を作ったり、緊張したり、言いたいことも言えない相手では、どんなにステキな異性でもストレスになってしまいます。
例えば、ご自分にもキャリアがある女性なら、いくら仕事が出来てカッコいい男性でも、あなたを尊重してくれず、下に見るような人では苦しいはずです。
だとすれば、多少物足りなさを感じてもリスペクトしてくれる男性の方が、一緒に居て楽ではないでしょうか。
男性も同じです。いくら若くて美人がいいと思っても、話の合わない女性や、あなたをオジサンとしか思ってくれない女性と結婚して幸せになれるでしょうか。
「それはちょっと…」と思われるようなら、世代の近い女性を選んだ方が話も合い、結婚生活そのものが楽しいはずなのです。
⑤ 「もっといい人がいるかも」は危険と心得る
理想に固執するタイプの方は、相手が少しでも理想と違うと「もっといい人がいるかも…」と思ってしまう傾向があると思います。
しかし、それは本当に危険なこと。
もし相手が結婚を望んでくれるなら、例え理想と違っても、その人が“運命の相手”かもしれません。
しかも運命の出逢いは、そう何度も都合よくはやって来ないのです。
運命の列車がホームに停車しているうちに乗らないことには、そのレベルの人はもうやって来ないかもしれません。
「もっといい人がいるかも…と待っていたら、次の列車は来なかった」なんて、実はよくあるお話。
結婚はよくタイミングと言いますが、本当なのです。理想ばかりにこだわらず、ぜひチャンスを逃さないようにして下さい。
⑥ 現状を理解し、今の自分にとってベストな相手を選択する
等身大の自分や、婚活の現状が認識できるようになって来たら、選択意識が適正になって来た証拠です。
「理想通りでなければ!」をやめ、今の自分にとってベストな選択を考えて行きましょう。
現状を理解し、今の自分に可能なベストチョイスを目指す。
この思考パターンは、理想と現実の折り合いをつけるための基本的な考え方です。
婚活においては、完璧に理想の人かどうかではなく、まずは相手が望んでくれて、自分も程よくいいと思う相手を選ぶことが最善だと思います。
“今の自分に合う人”との結婚こそが幸せに繋がる
今のあなたに合う人は、もしかしたら完璧な人ではないかもしれません。
でも考えてみて下さい。もしも相手が完璧だったら、あなたにも完璧が求められてしまいます。
結婚は日常生活。そんなの苦しくてやってられないかもしれません。
だからまず、完璧でない自分を認めてあげて下さい。そもそも完璧な人などこの世にいないのです。
だから相手にも、完璧を求めるのはやめましょう。
あなたがもし何かを失態しても、責めずにいてくれる人は、自分にも苦手なことがあるから優しくなれるのです。
人間は完璧じゃないからこそ、出来ない人の痛みがわかるようになります。
思いやりをもってカバーし合える関係ってとてもステキ。夫婦はそうでないと幸せにはなれません。
ぜひあなたも、理想と現実の折り合いをつけて“今の自分に合う人”を見つけて下さいね。